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沖縄県南東に位置する南城市は、2006年に佐敷町・知念村・玉城村・大里村が合併して誕生しました。エリアごとにそれぞれ特徴のある南城市は、あちこちを駆け足で巡るよりも、滞在するエリアの魅力を感じながら、ゆっくりと流れる時間を楽しむ旅がお薦めです。今回は、地元で暮らす方のガイドで巡る、橋で繋がる離島「奥武島」のある「さちばる・奥武島エリア」(旧玉城村)の魅力がたっぷり詰まった旅をご紹介します。それでは今回のガイド・稲福剛治さんのおすすめスポットに、早速足を運んでみましょう。
玉城在住11年。
南城市玉城にある、暮らすように滞在する2棟限定の宿「姉と弟の家」を夫婦で営む(写真左は麻里さん)。宿泊にいらっしゃるお客様にも、地域の魅力や楽しみ方を伝えている。
姉と弟の家:https://inafukuke.com
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絶景ビューの「浜辺の茶屋」でヘルシー朝ごはん
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南城市玉城、さちばるの海を目前にした「浜辺の茶屋」。この場所は、稲福さんの父の稲福信吉さんが「ありのままの沖縄の自然を生かすカフェ」として1994年にオープンしたカフェ。力強く迫り出す琉球石灰岩や、南国特有の木々を生かしたロケーションカフェは、世界中から観光客が多く訪れる人気スポット。
週末や祝日は朝8時からオープンしているので、朝ごはんをこちらでいただきます。カウンター席前の大きな窓の向こうは、手付かずの自然のビーチ。時間帯によって変わる潮の満ち引きや、天候によってさまざまに変わる景色を眺めながらの朝食タイムは格別なもの。「モーニングプレート」(880円)には、プチプチとした食感が楽しめる南城産の海ぶどうがのったサラダも。朝ごはんを食べたら、目の前のビーチを散策するのも楽しい体験です。
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週末や祝日のみいただける「モーニングプレート」。サラダやフルーツなど、1日の始まりをヘルシーに過ごせる
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天気がよい満潮時(左)や夕暮れ時(右)の景色も美しい。潮の満ち引き、季節、天候によって表情が変わる窓からの景色はまるで絵画のよう
浜辺の茶屋 浜辺の茶屋の詳細ページ
住所/沖縄県南城市玉城玉城2-1 営業時間/火〜木曜 10時〜19時、金曜〜日曜 8時〜19時(ラストオーダーは閉店1時間前) 定休日/月曜 電話/098-948-2073
https://sachibaru.jp/hamacha
![Information](/datas/images/2023/03/17/df59d43095c2f9590bcc360abcb606ef0ad88896.jpg)
手付かずの自然に癒される、新原ビーチを散策
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次に訪れたのは「新原(みいばる)ビーチ」。先ほど訪れた「浜辺の茶屋」からは、歩いて10分弱の場所。透明度も高く、白い砂浜が広がります。ビーチの脇からは、「みーばるマリンセンター」が運行する船底がガラスになったグラスボートが出航。透明度の高い海だからこそ、色とりどりの魚たちが泳ぐ姿を眺められます。
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ビーチにある「食堂かりか」もおすすめです!!
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ビーチには木々が自然につくりだしたトンネルも。
雨に濡れた「オオハマボウ」も美しい
漁師の島「奥武島」へ。島を見守る観音堂
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さて、次は橋で繋がる離島「奥武島」へ。周囲約2キロほどの漁師の島。島には、漁師たちが獲った魚を売る店や、てんぷら店などが点在しています。まずは島の守り神の「奥武島観音堂」へ。ここでは5年に一度、島民が総出になって開催する「観音堂祭」があります。その歴史は400年以上も続けられ、島の伝統が大切に守られています。
平日は、猫たちが気持ちよさそうに散歩する穏やかな風景が広がっています。まずは、島に感謝の気持ちを込めて訪れてみましょう。
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奥武島の暮らしを支える昔ながらの売店
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ここは島の暮らしを支える地元ならではの売店「みなとストアー」です。軒先には、ゴーヤー、冬瓜、パパイヤなど、沖縄の食卓に並ぶ野菜も販売されています。夏になると販売する「沖縄ぜんざい」(200円)は、地元の子どもたちにも大人気。食品だけでなく、トイレットペーパーや洗剤など、島の人たちの暮らしに欠かせない生活用品も並んでいます。ちょっと懐かしい雰囲気のする売店で、買い物を楽しむのも良い体験ですね。
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漁師の島ならでは!! 新鮮な刺身を買うならここで!
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漁師の島ならではのお楽しみといえば、新鮮なお刺身を購入できること。1パック500円からお刺身の盛り合わせが購入できます。よく見ると…聞きなれない「イラブチャー」や「ハラゴー」「マクブ」などの名前も。お刺身だけでなく、丸っと一匹販売されていたり、新鮮な魚を使った魚汁や海鮮丼なども並んでいて、市場の外にあるテーブルで食べることもできます。ここでは夕食に宿で頂く食材を入手。食べたことのない魚などは、美味しい食べ方をお店の方に聞いてみると、丁寧に調理法を教えてくれますよ。
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夏になると、漁師たちが獲ったトビイカを干している光景が、奥武島ならではの風景です。毎年7月から10月ごろに販売されています。
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奥武島いまいゆ市場 奥武島いまいゆ市場の詳細ページ
住所/沖縄県南城市玉城奥武19-9 営業時間/9:00~18:00、無休(店舗により不定休)
電話/098-948-7632(代表/南城市奥武島漁業組合)
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南城で暮らすように旅をする宿
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この日の宿泊は、稲福さんが営む「姉と弟の家」。姉の家、弟の家2棟のみのこじんまりとした宿は、実際に稲福さん兄姉がかつて暮らしていた住まい。木枠の大きな窓ガラスの先には、広々としたテラスが広がり、目前には南城市らしい緑に溢れた景色が広がります。宿猫のチョビもお出迎え。そっと餌をおくと、慣れたように近づいてくる姿に癒されます。広々としたキッチンには、冷蔵庫をはじめ、調理器具や、南城市内の作家たちによる器も備わっているので、気の赴くままに料理を。この日は地元のスーパーで買った食材でBBQを楽しみます。広々としたリビング、落ち着く寝室の空間。夜になると、静けさが一層と深まり、読書や星空鑑賞など、日常の忙しさを忘れ、ゆっくり落ち着いた時間が過ごせます。
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テラスでBBQが楽しめる。テラス横には、稲福さんが手作りした露天風呂も。喧騒を離れた空間で、心を開放したい
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宿にはレンタルサイクルもあるので、近隣を自転車でゆっくり散策するのも楽しいですよ。
姉と弟の家 姉と弟の家の詳細ページ
住所/沖縄県南城市玉城玉城90-1 電話/050-7128-6726 宿泊料金/姉の家(最大6名まで)弟の家(最大4名まで)各宿1泊素泊まり1室18,000円〜 各宿ともに1滞在につき清掃費別途、2名以上から追加2,500円/1名ごと
https://inafukuke.com
旅の思い出を綴る食堂
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「姉と弟の家」の目の前にある「玉城食堂」。もとはこの地域の公民館として活用されていた場所で、南城市を拠点に活動する画家や陶芸家、木工作家、料理人、建築家、僧侶、区長に、今回のガイド・稲福さんも加わった9名の「タマトラアーツ&クラフツ」という気の知れた仲間たちが共同運営する食堂です。仲間うちの「宮城陶器」による、深みのあるグリーンタイルをあしらった長いカウンターでは梅原龍さんが旅を連想させる料理を、亀谷修さんが台湾を中心にしたアジア料理を提供しています。料理もお酒も、それぞれ別メニューに分かれているけれど、テーブルではどちらの料理もオーダーできる、面白い試み。
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左は梅原さんによる「牡蠣とマッシュポテトの旅グラタン」(1500円)。右は亀谷さんによる「よだれ鶏定食」(1,350円)
仲間達でリノベーションした店内には、梅原さんの描く作品や、海外で買い付けてきたインテリア、元々公民館で使われてきた天井の古い扇風機などがバランス良く配されています。奥には「タマトラアーツ&クラフツ」の作家たちの器を実際に手に取って購入できるスペースがあります。
昼食を楽しんでいると、少し手が空いた梅原さんや亀谷さんが、「今日のご飯、どうだった?」と各テーブルを巡る様子も。小さな子どもたちにも「全部食べたらアイス持ってくるね」と、まるで昔からの知り合いのよう。「カッコいい場所だね、おしゃれだねって言われるより、なんか面白い場所だったねって言ってもらえるほうが嬉しいかな」と梅原さんが屈託のない笑顔を見せるのは、旅でのいつもと違った体験が、後々までの思い出として心に刻まれることを知っているから。「アートとかクラフトとかに携わっている仲間たちでやってるけど、この場所をもっとカッコよくしよう…なんて気持ちが一番じゃないんだよね。やってる方も楽しくて、その場所に来てもらって一緒に楽しんでもらう…そんな体験とか、関わりが一番」だという。見た目の格好良さだけでは作れない、旅で紡ぐ心地よい体験。「次は奥のスペースでバーでもやろうかな」と、また面白いことを考え始めている様子を見ているだけで、「またきっと、ここに来よう」という思いが募ります。
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「タマトラアーツ&クラフツ」は、軽トラをみんなでシェアしよう!ということから始まった飲み仲間たち。お互いの近況を話しながら、常に新しいことを楽しんでいる
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玉城食堂 玉城食堂の詳細ページ
住所/沖縄県南城市玉城玉城93-3 営業時間/11:30〜17:00(ラストオーダー16:00)、水・木曜定休、隔週で火曜も休
https://www.instagram.com/tamagusukushokudo/
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地元をよく知る方のガイドで巡る「さちばる・奥武島エリア編」の旅はいかがでしたか?このほかにも、さちばる・奥武島エリアには、たくさんの魅力的なスポットがあります。訪れた先々で、地元の人に声を掛けながらおすすめのスポットを巡ってみるのも楽しいかもしれませんね。
天気が良い時は、下のビーチから出発して、カヤックを楽しむこともできますよ。詳しくは「姉と弟の家」へお問合せください。